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まず初めに、東国寺の群山歴史館について。昨年開館した同歴史館は、地域のみならず韓国全土から来館を見、植民地時代をテーマとした学習の場として高く評価されています。このたび、YouTubeに歴史館を紹介する動画がアップされました。韓国語ですが、映像を見るだけで内容をかなり理解できます。どうぞご覧ください。 「全北の発見~収奪の記憶」第一部 https://www.youtube.com/watch?v=A0kU1S3ZOuU&t=34s 第二部 https://www.youtube.com/watch?v=FWRm3EmS4UY&t=591s 第三部 https://www.youtube.com/watch?v=PumHNmmLftk
(写真1 YouTubeから) さて、話題はどうしても新型コロナに触れざるを得ません。 東国寺のある韓国全羅北道群山市でも早々に感染者が確認されました。中国帰りの方が発病したのです。韓国と日本の初期対応は全く異なりました。韓国は、患者の動線を時間ごとに克明に公表したのです。群山第一号患者は、仁川空港=ソウル泊=群山=市内で食事=サウナ=ロッテマート=二件の病院を検診・・。日本では人権上の配慮からこれほど具体的な発表は考えられないことですが、リアルな情報があればこそ、食堂やサウナ、郊外大型スーパーは直ちに閉店し、徹底的な消毒と市内の防疫がおこなわれました。 群山は患者発生で一気に冷え込みました。そこで市長がとったのが、市役所職員が市役所の食堂の利用を自粛、かわりに町の食堂で食事するよう要請しました。市を救うためのこのスマートな対策にわたしは感銘を受けたものです。 また、最近ではお店を守るために「配達の妙手」というアプリを開発しました。お店はだれでも無料で登録でき、アプリを使って配達してもらえます。このアプリは画期的との評価を得て、いまや韓国中からアプリに関して問い合わせが相次いでいます。
(写真2 アプリを公開する姜任駿群山市長) 人間の本質は苦境に陥ったときにこそ現れるものです。韓国は助け合いの社会であると私は常々思っているのですが、コロナに対する群山の対応は、共助の精神の発露でしょう。 友人である柳浄拮氏(韓国仏教環境連帯代表)はハンギョレ新聞で、コロナ騒ぎのなか何をすべきかとして「世界には未確認ウィルスが30~40万種存在します。それが人間の環境破壊によって、人間社会との距離が狭まっています。そして感染が起こります。こんな時期こそ、私たちは静かに環境問題に思いをいたすべき」と指摘しました。 日本曹洞宗の根本経典とも言うべき『参同契』には「万物おのずから功あり」とあります。環境問題、人命尊重、助け合い・・どんなときでも意味を見出す・・これが仏教的コロナ対策かと思うところです。